【完】キミがいた夏〜Four years later〜
名前を呼ばれて振り向くと、そこには同じくK大に進学していた綾香の姿があった
綾香は美鈴の小学校からの親友で、そういう意味では俺よりも喪失感は大きかったかもしれない
「よお」
「渚が学校来てるなんて珍しいね」
「そうでもないけど?もう4年だし一個も単位落とせねーから最近しょっちゅう来てるし」
「そうなんだ?みんな渚先輩が学校来てる~!って騒いでたよ」
「トビーさんの二の舞にはなりたくないからな」
「あはは!確かにね」
そう言って笑った綾香の顔は高校の頃より大人びて見えた
腰まであったロングのストレートの黒髪を今は肩に少し掛かるぐらいの長さにしている
それは美鈴がしていた髪型に似ていて…
高校時代より少し大人びた綾香を見る度に、もう一方の頭で美鈴の今を思い浮かべていた
彼女は今どんな風になっているのだろうか?