【完】キミがいた夏〜Four years later〜
「元気だったのか?」
本当はこんな陳腐な質問をしたい訳ではない
今すぐ抱き締めて、言葉より何よりその感触を確かめたくて仕方がなかった
けれど、彼女の瞳はそれを望んではいない気がした
「ええ、ありがとうございます
元気でやってます」
そう言ってニッコリ微笑むその顔はどこか他人行儀で
俺の気持ちをドンドン嫌なところに追い込んでいく
「まさかこんなに早くここに来るなんて思わなくて、びっくりしました」
「ああ…希美に聞いて…」
「……そうですか、そりゃ早いはずだ」
そう言って美鈴は何かを思い出すように遠くの方を見ると
「もうあれから4年もたったんですね…懐かしいな…」