【完】キミがいた夏〜Four years later〜
私の隣で落胆する渚を余所に、私はそんなことばかり考えていた
4年間もずっと側にいて、いつもそのことだけが気になって仕方がなかった
渚に近付きたくても、美鈴も大切だった
けれど美鈴が渚の手を離すなら、次は私がその手を取りたい
そう思うことはいけないことなの?
私はそんなどうしようもない衝動にかられて、再び美鈴の働く街に足を運んでいた
会えるかどうかは分からないけれど
どうしても確認したかった
今日は午後からの講義は休講になっていた
午前中の講義を受けて終わり、美鈴の働く『雛罌粟-hinageshi-』の扉の前に立ったのはお昼を過ぎた時だった