【完】キミがいた夏〜Four years later〜
幸い綾香もこの1週間、顔を見せることはなかった
綾香も綾香なりに何か感じることがあったのかもしれない
それならそれに越したことはない
さっさと俺に見切りをつけてくれればいい
美鈴が見つかった今、正直言って綾香に構っている暇はない
そんな自分勝手な言い分を気にかける余裕もなく
とにかく早く自分の手に美鈴を取り戻したくて
俺は必死でもがいていた
ガチャン━━━━……‥‥
「あら…」
まだネオンのついていないその店の扉は、今日も運よく開いていた
「また私ったら閉め忘れて…」