【完】キミがいた夏〜Four years later〜
ママがカーテンで仕切られた向こう側に消えると、何かを話す声が密かに聞こえた
美鈴が俺を待っていた?
この間の態度を見る限り、俺を待っていたとはとても思えない
だとすると…?
そんな悪い予感を頭で打ち消しながらも、俺の中に言い様のない不安が込み上げてくる
暫くするとカーテンの向こうから小さな物音がして、カーテンがスッと引かれた
そしてその人を目にして、自分の予感が的外れではないことを感じる
顔を出したのは
前回よりももっと沈んだ顔をした美鈴
決して歓迎されているものではない
けれどそれとは裏腹に俺の気持ちは彼女を目にした瞬間、高揚していた
彼女が目の前にいるという事実だけで今はいい
そう思うと、自然に笑顔が溢れてきて美鈴に笑いかけていた