【完】キミがいた夏〜Four years later〜
美鈴はそんな俺の言葉を聞いて、ブンブンと頭を横に振っていた
「橘先輩は勘違いしてます…」
…何を勘違いするっていうんだ
「橘先輩はただ同情していただけです」
同情…?
思いもよらないその言葉に美鈴の顔を見る
「橘先輩は優しいから…私みたいな可哀想な子を放っておけなかっただけです…
それを好きだなんて勘違いしていただけです」
「違っ━━」
「それに!!」
俺の否定は美鈴の強い語気によって遮られる
その瞳も…
あの頃とは比べ物にならないぐらい強くなった
でもその強さは何処から来ているのか
美鈴は下ろしていた左手を、不意に自分の顔の横に持ち上げた