【完】キミがいた夏〜Four years later〜
side 綾香
**side 綾香**
1週間ぶりに渚のマンションに来ていた
少し遅い時間だけれど、迷わず来ることにした
その理由は美鈴から来た1通のメール
この間会った時に、携帯電話を忘れていた美鈴にメールアドレスを書いた紙を渡していたのだ
美鈴から来たメールには一言、【もう大丈夫だから】
そんなことが書かれていた
どういうことか分からず訪ねてみたけれど、仕事中のせいか返事がこない
どうしても気になって気になって、気がつくと車をとばして渚のマンションまで来ていた
美鈴が『大丈夫』ということに、心当たりがあるとしたら一つしかない
渚はきっと美鈴のところに再び顔を出したんだろう
そしてあの時言っていたように、美鈴が何かの話をしたに違いない
私は半信半疑な気持ちで、エントランスのモニターに向かって渚の部屋の番号を押していた