memory


「え・・・?」

「驚いてましたし、普通はありえないですよね。
でも、社長さんに鍵を貰ってて、
お世話になるのですから、・・・その」

今、胸がキューッて鳴った。
京汰さんは律儀なんだなぁ。疑った自分がバカだ。

「いいえ、ありがとうございます。
私、自信なかったんで!
謝らないで下さい。助かりました!!」

笑顔でお礼を言うと、
京汰さんの硬い表情が優しくなって


「・・・ありがとうなんて、俺が言う方ですよ・・」


そう微笑んだ。

え・・・

何コレ・・・

体中が熱くなる。
なにこれっ?

「ほら、行きましょう」

そう言って、私の手を引っ張る。
でも、それは優しくて。
温かい手が私をもっと熱くさせた。



「では、いただきまーすッ」

バンッ


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