譲りアイ
出口から出ると、暗闇に慣れていたせいか、光で目がくらんだ。
「あー。やっと出れた!こわかったぁ!」
「お前があんなに怖がりだなんて知らなかった 笑」
「し、しょうがないでしょ?!怖いものは怖いの!」
そういえばまだ手、つないでる。
「が、ガク?手、もういいよ・・。」
「あ、あぁ。ごめんごめん」
スッとガクの手とあたしの手が離れる。
・・・なんだか、寂しくなった。
「の、のどか沸いたな。なんか飲むか?」
「うん。水でいいや。」
「じゃあ、買ってくるからここで待ってろよ。」
「さんきゅー」
そばにあった自動販売機にガクが向かう。
あたしはベンチに座って一休み。