譲りアイ
人ごみの中、マコを探して歩いてたらガクと偶然目が合う。
「っ!!」
昨日の事を思い出しちゃってすぐに目をそらして、人ごみに紛れた。
「マコ~」
他の女子グループの所にいたマコをちょっと借りる。
「ん~?どうしたの?」
「マコってバスで誰と座るの?」
「あー、さっき隣のクラスの人に呼ばれちゃったからルイと座れないや・・・ごめんね?」
「そっか、別にいいよ。あたしサッキーと座るし!気にしない気にしない!それだけ!」
「そう?」
「うん。じゃ、あたしサッキーに言ってくる」
「うん」
また人ごみに入って、サッキーがいた場所に戻ると、サッキーだけじゃなくてなぜかガクもそこにいた。
「・・・。」
どうしよう…。
「あ、帰ってきた。どうだった?」
行きたくなかったのに、先にサッキーがあたしの存在に気がついたから逃れなくなった。
ガクがあたしを見てるのを俯いてても分かる。