譲りアイ
「マコ、隣のクラスの誰かさんと座るって。」
少し顔をあげるけど、なるべくガクの方を見ないようにする。
「よし、じゃあ決定だな!」
サッキーはなんだか嬉しそう・・・でも、ガクはなんだか無口だ。
「・・・何が?」
無口だったはずのガクが話に割り込んでくる。
「ん?俺がルイの隣に座るって話。いいだろー、ルイってなんかおごってくれそうな顔してるからラッキーだよ。」
ん?
その言い方なんか聞き覚えある!
「・・・って!なんでサッキーまであたしがおごるとかそういう話になんの?!w」
と、思ったらふいにガクの方を向いてしまった。
あ・・・聞き覚えあると思ったら、ガクがいつもあたしに言ってる事じゃん・・・。
今更恥ずかしくなったあたしはバッとサッキーの方を向く。
自分がなんかおかしい!!
顔が合わせらんないよ…!
「アハハッ、なんかルイって頼んだら断れないっぽいし。それだからじゃん?」
サッキーが面白そうに笑う。
だけどあたしは笑う気になんか全然なれなくて、バスに乗るまでずっとうつむいてた。
サッキーだけと話してるときは昨日の事なんて忘れるくらいだったのに、ガクがいるとサッキーの面白い話も耳に入らないよ…。