譲りアイ


「大丈―・・・「ごごご、ごめ―・・・(ボテッ)」」



謝ろうとして声が裏返る中、やっとの思いで出た「ごめん」の「め」で頭にへんな痛みが走る。



「・・・ったー・・・」



足元に転がったそれを見ると、それはサッキーのバックだった。



「ギャハハハハハハッ!おもしれー!俺のバックすっげぇ空気よめてるし!」



・・・、こいついつか殺したい。



「サッキーの馬鹿―!!」




なんでいつもこうなの!?

不運にもほどがありすぎる!!

ガクの膝に座っちゃったし!!

よりによってガクだし!

みんなの前で頭に鞄が落ちるし!!

笑われるし!

もう、やだ・・・




とにかく自分の席に座りなおす。



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