譲りアイ
「お、おい・・・。」
「・・・ぅ・・・っ」
「な、泣くなよ…。い、痛いのか?」
あたしは泣いていた。
「うぅ・・・」
「ごめんて、まじごめん」
サッキーのせいだけど、サッキーのせいじゃないのに…。
謝らないでよ!
声を出したら声出して泣きそうだから、ブンブン頭を横に振った。
「笑ってごめん…。」
だから謝らないでよ…。
またあたしは頭を横に振る。
「・・・。」
やっと落ち着いたあたしは手で涙を拭いた。
「なんでもないから・・・、勝手に泣いてるだけだし!謝らないで!」
「・・・。」
しばらくの間、バスの後ろ側の席では沈黙が続いた。