譲りアイ
「がく・・・」
ガクもちょっと走ってたらしくて、軽く息切らしてた。
あたしも息が軽く切れてて、何を言えばいいのかわからなかった。
「おまえ、走るの速いっつーの。・・・何逃げてんだよ。」
は?
「な、何言ってんの?!逃げてないよ!あたし「佐々木と話してると思ったらすぐにどっか行くし…。」
「はぁ?」
「教室で先生と話してると思ったらまた消えるわ、見つけたと思ったらおまえ走ってるし。」
「だから!あたしはガクの事探して走ってたんだって!ばか!話聞け!」
ガクったら一言も言わせてくれないんだから…。
ガクはなんか抜けた顔してて、少しおかしい。
「サッキーの所もどったらサッキーが中庭であんたがあたしの事探してたって教えてくれたから、走ったらまだ間に合うかなって。」
「な、なんだよ・・・」
ガクは「なんだよ・・・」とまた呟いて廊下の壁に寄りかかって俯いた。