ナガレの騎士 ~光の竜と呪いの姫~
◆Prologue
エヴィット国からさらに数キロ離れた地・・・・
空にもっとも近いとされるこの国の地下深くに、2つの影。
「ほう、では準備は整ったのか」
「はい、陛下。今すぐにでも」
「・・では参れ。私もすぐに行こう」
「・・は」
「陛下」と呼ばれた者を残し、1つの影が消えた。
やたらと暗く、広いその場所に残された1人は、
一点をじっと見つめて笑んでいる。
「・・もうすぐだ。もうすぐだぞ・・・」
両手を広げ、何かを待ちわびるように
くつくつとのどの奥で笑った。
「黒い光が空を覆う時・・・全ては闇に包まれ、光は消える。
希望の光など一点も見えぬ世となろう・・・。
さぁ、早くその美しい世界を見せてくれ」
視線の先にあるのは、闇色の空-------------