ナガレの騎士 ~光の竜と呪いの姫~
ティティの首根っこをつまみ上げ、ほっとしたように深くため息を吐く。



「・・全く・・・俺は今、変装中なんだからな?
いくらあいつらが顔を知らないとはいえ・・・
ちょっとでも違和感を見せたらバレるにきまってる」




「そうか?案外鈍そうだろ、あのおっさん」


「違う。プルートじゃなくて、あっちの女の子の方」


「・・あのバカ女か。俺は興味ねーな」




顔も見たくない、とそっぽを向く。
だが興味あるとかないとかそんな場合じゃない。
バレたら困るのは結局自分たちだ。



深く考えていない様子のティティに再びハァっと息を吐き、
抱き上げてとんとん、と背中をたたいた。




「?どうかされましたか」


「調子でも悪いのかね、猫くん」



「っな!?」



「・・そうみたいだ。ほら、ティティ。
俺が抱えてってあげるから、もう少し我慢しろ、な?」



「・・・・・・」



「ティティ、で・き・る・よ・な?」




にっこぉーっと笑顔で言えば、彼はぶぅーっとほほを膨らませて大人しくなった。
その様子に満足して抱え上げ、先を歩く。





と、





「アンジュ、覚悟ぉっ!!!!」




上から大きな声とともに降ってくる少女。手には網を抱えている。
見るからに、自分たちを捕まえに来ている。





「!来るぞ!」





ティティがそう叫ぶと3人は一斉に散り散りになる。
案の定、空から降ってきた少女はどす、っと鈍い音を立ててその場に落ちた。




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