ナガレの騎士 ~光の竜と呪いの姫~
ティティはむぅっと顔をしかめ、
1人の足の間にするりともぐりこんだ。
「何が書いてあるんだ?」
「んー、心当たりが多すぎてあんまり覚えてない・・。
と言いたいところだけど、この押印は見た事ある気がする」
真っ赤な押印の中には、一本の剣に巻き付いたドラゴン。
「押印?そんなものどこにもない」
きょとんとしているティティに、
1人が楽しそうにふふっと笑った。
「そりゃ見えないだろうな。普通の人には」
「・・・?
おまえにしか見えないってことか、ピアス」
ピアスと呼ばれた人間はまた笑ってティティの頭を撫でた。
「あながち間違ってはいないけど違う。
これは、「俺」じゃないと見えない」
さっきと言っている事がどう違う、
と言いたくなる所をティティは理解したらしく、なるほど、と呟く。
「・・面倒なことを。わざわざご苦労な事だ」
「そう?こういう回りくどいの、俺は嫌いじゃないけど」
そしてまた、ピアスはふふっと笑う。
…実はビビ・シェアリングなどという人間はこの世には実在しない。
いや、いるにはいるのだが、それもこれもすべて「彼」の一部であるのだ。
彼--------ピアスの、もう一つの顔である「変装」という名の
能力によって作られた影------
1人の足の間にするりともぐりこんだ。
「何が書いてあるんだ?」
「んー、心当たりが多すぎてあんまり覚えてない・・。
と言いたいところだけど、この押印は見た事ある気がする」
真っ赤な押印の中には、一本の剣に巻き付いたドラゴン。
「押印?そんなものどこにもない」
きょとんとしているティティに、
1人が楽しそうにふふっと笑った。
「そりゃ見えないだろうな。普通の人には」
「・・・?
おまえにしか見えないってことか、ピアス」
ピアスと呼ばれた人間はまた笑ってティティの頭を撫でた。
「あながち間違ってはいないけど違う。
これは、「俺」じゃないと見えない」
さっきと言っている事がどう違う、
と言いたくなる所をティティは理解したらしく、なるほど、と呟く。
「・・面倒なことを。わざわざご苦労な事だ」
「そう?こういう回りくどいの、俺は嫌いじゃないけど」
そしてまた、ピアスはふふっと笑う。
…実はビビ・シェアリングなどという人間はこの世には実在しない。
いや、いるにはいるのだが、それもこれもすべて「彼」の一部であるのだ。
彼--------ピアスの、もう一つの顔である「変装」という名の
能力によって作られた影------