ナガレの騎士 ~光の竜と呪いの姫~

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サンシェットの港には、各国からの様々な貿易船が停泊している。
高級食材はもちろんのことだが、
高い品質の食材をうまく商売すれば安くも手に入れられるという
商いもここらあたりでは盛ん。
行商人たちにはうってつけの場所。



そこで店を出す事が出来るのも、本当に資格を認められたものたちだけだ。




そんな【貿易の都】とも呼ばれている港。





「うわぁ・・・!本当に船がいっぱい・・・!!」




お父様の話は本当だったのね・・・!




「ふふふ、そんなに急いだら転んでしまうわよ、アンリ」
「あ、ごめんなさい母様・・・。
でも、私じっとなんてしていられないわ!
だってあんなに素敵な場所があるなんて・・・」
「アンリは街から出たことなかったものね。
でもこの辺りはあまり治安が良くないから、気をつけなさい」
「はーい、お母様!」



でも嬉しいものは嬉しいわ!こんな所に来てはしゃがないほうがおかしいもの。



治安が少しくらい悪くたって、そんなの私がやっつけるんだから!!





少しばかりお転婆なお嬢様・アンリは初めての街に目を輝かせるばかり。
スキップでも踏みそうな勢いで歩き出す。
その後ろをのんびりと歩く母親。





父親を早くに亡くし、寂しい思いをしてきたアンリ。
お父さん子だった彼女にとって、父親の思い出の場所は楽しいに違いなかった。






お買い物なんていいから街を見たいと話す娘に、
ここまで喜ぶなら連れてきた甲斐もあったものだとしみじみ感じていると。








「やあ、お嬢さん。リンゴはひとつどうだい?」






「リンゴ?」






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