ひきこもり女学生の脳内断面図








お姉ちゃんは怒りに燃え、相手の男性を木っ端みじんにする気満々。







一方で私は狭い店内を猛スピードでひっかきまわされ、へとへと。






そうしてお互い違った意味でハゲシク揺さぶられた心を抱え、場所は参考書コーナーまでたどり着いた。







大きく肩を上下させる私たち。母たちの後ろ姿は、確かにこのフロアに入っていったはず。






鬼の形相で店内を見回すお姉ちゃん。その横できょろきょろとお母さんの姿を探す私。







「あっ!あれじゃない!?」






とうとう母らしき後ろ姿をとらえた私は、ハッとして叫ぶと、その方向を指差した。







すぐにそちらへ振り向いたお姉ちゃんと同時に、浮気相手である男性がついに本屋の蛍光灯の明りのもとに照らされる。






少しメタボが入った、中年男性。







「・・・あの男か!」






容赦ないスピードで彼のもとへ駆け寄って行くお姉ちゃんを見つめながら、私はなんだかおかしな感じが胸をよぎる。








あの男の人に、どこかで会ったような。そんな気がしていたのだ。
























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