ひきこもり女学生の脳内断面図









実を言うと、その感覚は「どこかで会った」どころではなかった。







「このクソデブっ!どこのどいつだ!!」








そう叫んで、彼の肩をグイッとつかんだお姉ちゃん。その大きな声は店内いっぱいに響き渡り、周りの人も驚いてそちらを見ていた。






やりすぎだと思った私もさっと駆け寄って言った。







「お姉ちゃん、せめてメタボって言ってあげないとだめだよ!」







一応私なりに、相手への敬意を込めたつもりだった。浮気相手とはいえ、初対面の人間に「クソデブ」は酷過ぎる。







そうして駆け寄っていった私に、その男性は振り返って言った。







「春川さん・・・全然フォローになってないよ」








「・・・・!!」






あまりの驚きに、私は息ができなかった。それはお姉ちゃんも同じことだっただろう。







浮気相手の男性と思っていた人物は、なんとあの加藤先生だったのだから。



























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