ひきこもり女学生の脳内断面図
「危ない!」
下の階の踊り場に向かって身体を投げ出して行きそうな私の左腕を、何かがガシッとつかんだ。のと同時に、誰かの声も聞こえてくる。
ものすごい力によって引っ張られた。誰かが腕を引っ張ってくれたおかげで、私は階段から落ちずに済んだのだが。
その引力があまりにも強すぎたせいで、反動で私は反対側に倒れこむ。申し訳ないが、助けてくれた誰かに猛烈タックルをお見舞いしてしまったのだ。
「うわぁっ!」
驚いて一瞬目をつぶってしまったが、体を起してみると・・・・
「大丈夫?危なかったな・・・落ちたら大惨事だったよ」
少し驚いて真剣な顔つきになった例の中年がいた。私のタックルにもびくともするわけがない、彼はややメタボなのだ。私はその腹に飛び込んだということだ。
私を助けてくれたのは、加藤先生だったらしい。