ひきこもり女学生の脳内断面図







「加藤先生以外のサイズなんて、いらないくせになあ。面白い奴め」





「?」






メガネの先生は、なぜ私の気持ちを知っていたのだろうか。ラリッた顔しながら、あなどれない。







隣で何も知らない加藤先生は、首をかしげてその先生の方を黙って見ている。







「・・・加藤先生は、気づいてないの。あの子のこと」






「いや、別に何も・・・普通の生徒ですし」






メガネの先生の問いかけに、加藤先生はまるでわからないと言った顔をしている。






メガネの先生は加藤先生の言葉に、呆れてため息をついた。





「普通の生徒が、メジャーなんて持ってるかねえ」






「確かに・・・それはそうですよね。変わり者だとは思っていましたけど」






やっぱり。






先生は私のことを「恋する乙女」ではなく「奇人」と思っていたようだ。






悲しいがその通りである。






「それ以外は、何も思わないの?あの生徒のことを」





「いや、特に何も・・・」






メガネの先生はさらに問い続けたが、加藤先生は首を横に振っているだけだった。






そんな加藤先生の様子にそれ以上聞き返すことなく、メガネの先生は言った。







「・・・あの子にはかわいそうだから、黙っておいてあげるか」






私が知りたくもない中年の腹周りにメジャーを回しているそばで、先生二人はこんな危険な会話をしているとは知る由もなかった。















































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