ひきこもり女学生の脳内断面図
「スミマセンねえ・・・身長は170センチですか」
そのまま観念した私は、さささっとメジャーを回して測った。
小太り中年も、特に嫌そうな顔をしているわけではなさそうなので、測ったらさっさと帰らせてもらおう。
あともう少しの辛抱だ。
それにしても興味もないことに興味のあるふりをすることは、こんなにも頭が痛くなる作業なのか。
「なんだかちょっと恥ずかしいねえ」
「すぐ終わりますので・・・」
小太り中年は加藤先生よりストレートに気持ちを出す人らしい。明らかに嬉しそうな様子が見て取れる。
所詮オヤジなど、そんなものなのか。
引きつった顔を隠しながら、そのまま私は無言で測定を続けた。