ひきこもり女学生の脳内断面図








「あれ、気がついたの」






「わわわわ!」






唐突に人の声がするから、私は思わず驚いてしまった。






まさかこの乗り物の正体は・・・人だというのか。





よくよく見てみれば、立派な人の背中ではないか。






「よかったぁ。急に倒れちゃうから、びっくりしたよ」






「す、スミマセン・・・」







こんな通りすがりの変人を助けてくれるなんて、どこの国の貴族であろうか。





「このまま病院に連れてっちゃおうと思ったんだけど・・・」






「あ、大丈夫です。ありがとう・・・助けてくれて」






私がそう言うと、その人は半分顔だけ振り返って笑った。






「よかった。また値引きしてあげるから」





「値引きって・・・えっ!」






加藤先生にそっくりな顔が、私の顔のすぐ近くでほほ笑みかけたのだ。







「もしかして、スーパーのお兄さんですか」






「そうそう」







あまりの衝撃に、私は再び意識を失うかと思った。





















< 136 / 303 >

この作品をシェア

pagetop