ひきこもり女学生の脳内断面図
熱にうなされること数日、すっかり元気になった私。
加藤先生への熱狂ぶりは、熱を出す以前より高まっている気がする。
そんな私は「まだ大人しく寝ていなさい」という母の言いつけを破り、にやにやしながら布団から這い出る。
いつだって私の笑い方は、陰気なのだ。加藤先生の麗しい頬笑みとははるかに程遠い。
「ひっひっひ・・・大胆だったけど、結果オーライってことで」
「独り言は案外体に良い」と最近雑誌で読んだ私は、独り言を言いながらこの間の予備校に持って行ったリュックを手に取った。
どうせ誰もいないんだから、と思った私。
中に入っているものを想像した私は、より一層体をくねらせてにやにや笑う。
一人であることに調子に乗った結果、もしかしたら私はこんなにも変人になったのかもしれない。
ひきこもり状態というのは、取扱いに注意が必要なのである。
私のような奇人になってからでは遅いのだ。