ひきこもり女学生の脳内断面図
中からとり出したのは、小さな紙切れ。
二つに折りたたまれているその紙を開こうとするが、恥ずかしくてためらう。
しばらく開けようとして目をつぶる、といういかにも馬鹿げた動作を繰り返した私。
観念してようやく中の文字の目を通した。その瞬間「おほほうっ」と笑い声が漏れそうで抑える。
そこに書いてあるのは、先日手に入れた加藤先生のスリーサイズである。
変なメガネの先生に散々な妨害を食らった結果手にした、まさしく私の血と汗と涙の結晶である。
・・・などど言いながら加藤先生のサイズを得るには異常なまでの器用さを披露した私。
その麗しく神聖な数字の横っちょに、いかにもやる気のない不貞腐れた字で名前も知らん小太り中年のデータも記されているが。
この小太りデータを基にすることで、加藤先生の数字の麗しさがより一層引き立つかもしれない。
不要なデータを消そうとしたが、こういうところはずる賢く考えた私。
仕方なく消しゴムを持つ手を止めた。