ひきこもり女学生の脳内断面図





数日後のこと。






熱も下がり体調もすこぶる良い私。母からの外出許可もいただき、私は意気揚々と街へ出かけて行った。





「行ってきますね、先生。すぐに戻りますので」





もちろん行ってきますのハグを、紙人形加藤先生にするのも忘れずに。






新婚夫婦になりきった私の心は、まさにビビッドピンクな感じである。パステルピンクと言うより、鮮やかなピンク。





キスしちゃおうかな、と思った私は恥ずかしくなって紙人形加藤から目線をそらした。







思わずふふふっと笑みが漏れてしまうから、奇人であっても恋する乙女には変わりないのだ。だが変態である。







人にばれてこそないが・・・






こんな日常が人に知れたら、何度生まれ変わっても私はうまく生きていけない・・・気がする。







仮に事実を知った加藤先生は、下手をすれば違う予備校に転勤してしまうかもしれない。







あくまでマイワールド、と言い聞かせた私は、自制心を胸に街を歩きだす。












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