ひきこもり女学生の脳内断面図
「わかるの?私が機嫌悪いって・・・」
自分の心が覗かれてるような感じがした私は、たまらず尋ねた。相変わらず彼はそんな私の質問を受けてもしれっとしている。
「それくらい見ればわかるよ。いつもはぼーっとしてるくせによ、珍しく考え事してるような顔してるから」
「そっか・・・」
私はそう言われて、何も言い返す言葉がなかった。
そう返事をしたまま目を合わせない私に、浪人生の顔が迫って来る。
「何に悩んでんだよ、加藤先生なんかに恋してるお前らしくもねぇな・・・」
「ぎゃっ!」
急にどアップになる浪人生の近すぎる顔に、私はびっくりしておののいた。
こんなところでもいちいち小心者なのである。