ひきこもり女学生の脳内断面図








「わかるの?私が機嫌悪いって・・・」







自分の心が覗かれてるような感じがした私は、たまらず尋ねた。相変わらず彼はそんな私の質問を受けてもしれっとしている。






「それくらい見ればわかるよ。いつもはぼーっとしてるくせによ、珍しく考え事してるような顔してるから」






「そっか・・・」






私はそう言われて、何も言い返す言葉がなかった。







そう返事をしたまま目を合わせない私に、浪人生の顔が迫って来る。







「何に悩んでんだよ、加藤先生なんかに恋してるお前らしくもねぇな・・・」






「ぎゃっ!」







急にどアップになる浪人生の近すぎる顔に、私はびっくりしておののいた。






こんなところでもいちいち小心者なのである。











< 174 / 303 >

この作品をシェア

pagetop