ひきこもり女学生の脳内断面図
「そういえばさ・・・気になるんだけど」
「?」
自分で聞きだしておきながら自分で話を切り替える浪人生。
悩みの話題からそれたことに安心する私。そんな私をよそに浪人生は続けて言った。
「お前・・・こんなときでもそんな格好してんの」
「?」
なんのことだ?と思い返した私は、自分の服装に目をやる。
ただの紺色のセーラー服である。加藤先生の気を引こうとしたがあえなく失敗する、という嫌な思い出も染み込んではいるが。
「うん、いつもこんな感じだよ。好きだからずっと着てるんだぁ。もちろんたまにヘンな人に声かけられちゃうけどね」
そう笑いながら返した私に、呆れてため息をついた浪人生。
「好きだからってなあ、お前・・・」
改めて振り返って私の顔を見たジロー。とっさに私は言い返した。
「あ、ごめんね。私なにかヘンなことしちゃったかなぁ・・・」
からかわれるかしらん?と思った私は、警戒心丸出しで軽く中腰になる。