ひきこもり女学生の脳内断面図







仕事を終えたのだろうか、今日はもう夜の授業は入っていないのだろうか。








いずれにせよ帰宅するであろう加藤先生は、隣の座席の私に気づいて驚いているが。








書き手の私からすれば、今の自分を揺さぶって起こしてやりたいくらいなのだが。








加藤先生の近距離にいるにもかかわらず、奇人はいつだって睡魔とお友達なのである。







加藤先生は加藤先生で、黙ったまま私の隣から動かない。







先生から見れば気まずい沈黙が、辺りの空気を漂っている。








そうして何も知らない私は、睡魔のおかげで首が先生の方へ傾く。








「あ・・・」








徐々に首が傾いていく私にどうすることもできない先生は、「どうしよう」と焦ったような顔をするが。








そうして私の頭は、コテッと先生の肩にぶつかった。完全に先生の右肩にもたれかかっている。








「・・・」









先生はそんな私のことを、なぜか悲しげな顔で見つめていた。

















< 180 / 303 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop