ひきこもり女学生の脳内断面図
やさしいお姉ちゃん
「ただいまぁ」
千宿から私が帰宅した頃は、もう夜の8時を過ぎた頃だった。
「おせーよ。ったく・・・どこ行ってたんだよ」
私よりも一足先に帰宅していたお姉ちゃんは、不機嫌そうな顔でリビングへやってきた私に言った。
何の関心もなさそうな顔でテレビを見ていたお姉ちゃんは、ふっと私の方を見る。
「・・・あ、アキ?え、誰だお前!?」
「アキだよ」
「アキ?」と聞かれて私はそのまま答える。どう見たって私は春川秋である。
髪を切っても、下から見上げても、奇人は奇人に変わりはないのだ。
今更尋ねるようなことではない。