ひきこもり女学生の脳内断面図
「逃げる」ことを決意するなんて、どこからどこまで情けないのだろうか。
だがそんなブルーな心丸出しの私に、神様はいつだって手加減をしない。
こういう状況に何度も居合わせると、神様は意地悪なのか優しいのか、いつもそう思ってしまう。
よそ見をしながら店内を出ようとする私は、「何か」にぶつかった。
「ぶつかった」というより「蹴り飛ばした」と言った方が正しいかもしれない。
なぜならその「何か」は、中腰状態で明らかに私より低い位置で何かをしていたのだ。
足元の鈍い感触を察知した私は、反射的に引き下がる。
「わっ!ごめんなさい」
「いやいや、僕がこんなところでうろうろしてるか・・ら・・・?」
目があったとたん、私たちはお互い言葉をのんだ。