ひきこもり女学生の脳内断面図
加藤先生は、確かに中年男性である。
私から見たら「先生」であり、先生から見て私は「生徒」なのである。
私はこの性質をまんまと利用して、チョコレートを渡そうと企んでいた。
もちろん「本命です」なんて言えるほどの人間ではない小心者キチガイは、考えることも腹黒い。
動かしがたい関係を利用して、「義理を装ったチョコ」を渡そうと私は計画した。
『あ、先生?コレ義理ですからよければどうぞ!え?いやいや、生徒の正当な義理チョコに決まってるじゃないですか~!そういうわけで、ご安心ください』
そう言って白々しい文句を付け加えてチョコを渡す自分の姿が、ありありと目に浮かぶようだ。
こんなところまで、完全に自己満足である。