ひきこもり女学生の脳内断面図





そうして奇妙な過程を経て出来上がった、味気のない四角いチョコ。





見た目も地味な上に、作り主が恐ろしく不気味なキチガイであるから、味が危ぶまれるように思われるだろう。




だがご安心いただきたい。





石畳チョコというのは、溶かし方さえ綺麗に解ければ、ほぼ間違いなく味は失敗しないのだ。






臨機応変さに欠ける神経症者は、無難なチョコしかつくれない。









最後の仕上げにココアパウダーをふりかける私。






『かけすぎはむせの原因』というレシピの言葉を忠実に守った私は、ふうふうと息を吹きかけてココアを散らしていたのだが。





「ぐほっ、ぐほぐほぐほ。ほひーっひっひ!」






見事に自分がむせた。











< 230 / 303 >

この作品をシェア

pagetop