ひきこもり女学生の脳内断面図
「アイは今までチョコくれたことなんてないんだよ?『白ブタはチョコ食えねえだろ』って」
「えっ!お姉ちゃんに白ブタなんて呼ばれているんですか?」
私は驚いて思わず大声を出してしまったが、彼は彼で嬉しそうに笑っていた。
「いいんだよそんなことは。アイの・・・君の姉さんのことは知り尽くしてるつもりだよ。まぁアキちゃんにはかなわないけどね」
そう言って優太さんはまた、照れ臭そうに笑った。
ほのぼのとした空気が一転、ふと私の目に飛び込んでくる壁時計の針。
確かに3時20分を指している。
「それじゃ私、もう時間ないので・・・今日はありがとうございました!」
「こちらこそありがと!なんとか先生って人もきっと喜んでくれるよ・・・気をつけてね!」
私はそのまま彼に手を振って見せると、駆け足でスーパーを後にした。