ひきこもり女学生の脳内断面図
その間およそ3秒。
ずんずんと私の背後に迫り、先生はその大きな足取りで悠々と私を追い越して行った。
そんなのは当然である。どっしりとした大きな先生の歩行速度に、私の足がかなうわけなどない。
廊下に少し居合わせたくらいで、長い間ときめくことができないのは残念なことだが。
「お疲れさん。気をつけて帰るんだよ」
こんなことを去り際に言われて、私が平常心を維持できるわけなどなかった。
彼の横から見た姿もまた、素晴らしくかっこよかったのだ。きらっと覗く歯の白さだって、私は見逃しやしない。
こうなればもう360度全方向から撮った彼の写真が、ほしい。
完全に精神障害者である。