ひきこもり女学生の脳内断面図
3月とはいえ、辺りはもう真っ暗に近いほど日が沈みきっている。
少しだけ風が冷たく、肌寒い。
そろそろ時間かな。驚くほど軽やかに切り替えた私は、最後に切り出した。
「もう暗くなっちゃったから・・・先生、最後にひとつだけ・・・」
「お?何かな」
「へへへ・・・」
最後も奇人らしい笑い声を洩らし、私は先生の耳もとに近づいてこう告げた。
「先生、今まで、本当にありがとう」
そうして私は・・・
最後の最後の別れの意を込めて、先生のほっぺに軽くキスをした。
「・・・」
「さようなら、お元気で」
私がそういい終えたのを確認したかのように、3月の少し冷たくて柔らかい風が私たちの横を通り抜けていった。
私の恋心も一緒に、どこかへ運んで行ってくれたのだろうか。