ひきこもり女学生の脳内断面図











よく見てみると、その男はなかなか整った顔をしている。








きらきらしたイケメンというよりは、どちらかというとしっとりした好青年という感じである。こんな感じの俳優がよく連続テレビ小説に出ていることを、私は思い出した。












くせのないショートヘアに、まっすぐな前髪が好印象を与える。いかにもまじめそうな男。











だがしかしここで重要視すべきなのは、男の顔立ちや見た目の雰囲気ではない。そうなのだ。










その男がこちらを眺める「信じられねえ」と言わんばかりの表情、あまりにも感情を素直に出し過ぎである。









自分をごみと思いたくないが、ゴミでも見るような目をしたかと思うと彼はさらに顔の右半分をひきつらせた。








私がああだこうだとこの男に対する印象をあさっている中・・・










しばらく固まっていたその男は、私の第一印象をびりびりに破くような言葉を口にした。
ゴミを見るような目のままで。











「信じらんねぇ。お前みたいな趣味の悪い女子高生がいるんだ」











男はすぐに物拾いの達人かと思うくらいの手つきで下に散らばった参考書やルーズリーフの用紙を拾い上げた。









「趣味の悪い女子高生」とは一体何のことであるか。謎である。































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