ひきこもり女学生の脳内断面図
ふんわりと温かい風が、私たちの横を通り過ぎていく。
「きれいきれい!!絵の中にいるみたい!」
くるくると舞っていく桜を追いかけた私は、ふっと気付いた。
いつの間にか私たちの周りには、誰もいなくなっている。というか、もしかしてここは死角なのか。
「あれ、なんか急に静かになっちゃったね。誰もいない・・・」
「・・・」
ワケワカランと首を傾げた私の正面に、スグルは静かに近づいてきた。何をするつもりなのか。
「わあっ!!!」
彼は突然、正面から包むように私を抱きしめた。
「もう妄想なんかで心を満たさなくていい。これからは俺が本当の恋愛を教えてやるから・・・」
「え・・・?」
びっくりしたけど、スグルの腕の中は温かくて、力強くて、今までにないくらい安心できる気がする。
この気持ちは、何なんだろう・・・・