ひきこもり女学生の脳内断面図
「どうしたの・・・?急に」
「ずっとずっと・・・こうしてやりたかった。俺はずっとお前のそばにいてやれる。いつでも守ってやる。だから・・・」
桜の花びらの舞う風の中で、彼は言った。
「安心しろ。頭の中なんかじゃなくて、俺はずっとずっとアキのそばで、アキのことを愛してやるから」
「ありがと・・・私も他の誰よりも、スグルのことが一番大好きなんだよ」
「相手が加藤先生でも俺でも、相変わらず直球だな・・・恥ずかしくなっちまうよ」
彼はそう言って笑って見せると、
「目、閉じてくれるか」
私を腕の中に抱いたまま、今までに聞いたことのないような優しい声で言った。
暖かい春の風が辺りを包んだのと同時に。
静かに目を閉じた私の唇に、桜の花びらよりもやわらかい魔法が重なった。
~おわり~