ひきこもり女学生の脳内断面図









「お疲れ様です~それじゃ、私はこれで」







相変わらず、職場も中年だらけ。







なぜだか知らないけどこの予備校には、私以外に女性がいない。








「お疲れ様です。お気をつけて~」








去っていく中年講師の背中に向かって、私はひらひらと手を振った。










一人だけ女と言うこともあってか、今ではだいぶ他の中年講師たちとも気軽に話せるようになってきた。










その中で少しだけ若い(といっても30代後半くらい)のやや中年講師が、私の隣のデスクでこんな話を始めた。









「なんか春川さんが雇われたの、わけありっぽいっすよ」





「わけあり?私が?ほお」







「そうなんすよ、なんか・・・噂なんすけどね?気を悪くしないで・・・」








その講師は高キャリアの中年講師の中では珍しく、気さくで話しやすい人だった。










< 294 / 303 >

この作品をシェア

pagetop