ひきこもり女学生の脳内断面図
それが誰の陰謀だったのかは、数日後にすぐに明るみになった。
私が勤務し始めてから初めての木曜日を迎えた時のこと。
その曜日オンリーで勤務している先生もいるので、この一週間は「はじめまして」という言葉を何日もの間、口にすることになった。
昨日はいなかったのに、今日初めて会う先生。
決まって新人の私はその先生の顔をうかがうと、すぐにそばまで行って挨拶をする。
「はじめまして。1日から勤務することになった春川と申します。新卒ですが、これからどうぞ宜しくお願いいたします」
そう言うとたいていの先生は優しそうに笑って「こちらこそ」と言ってくれるのだが。
それが今日だけは違ったのだ。
いつだって「あの人」の笑顔は見事におぞましかった。