ひきこもり女学生の脳内断面図











そうして今日も見慣れない、ちょっとぽっちゃりした中年の先生がいることに気づいた。











かっちりしたシルエットに、たぷっとしたお腹。男らしいその姿は、どこかで見たことがあるような・・・あの横顔・・・なんだか遠い昔にチューなんかしちゃったような気がするが、そんなわけがあるはずもない。










それでも勤務し始めて初めての顔合わせなのだから、いつも通りのあいさつをするためにその先生に声をかける。あくまで初対面だと思い込んでる私・・・










「あの・・・はじめまして」








その声に気づいた彼は、待ってましたと言わんばかりに「がばっ」と私の方を振り返った。







「待ってたよ、春川さん」









あのおぞましい笑顔を浮かべながら。











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