ひきこもり女学生の脳内断面図







あの男に、せめて謝罪の言葉を告げねば。







そう思って数日を過ごしていた私は、授業を終えて例の男を捜索中である。







他の教室から声が聞こえてくるが、私と同じ時間帯にあの場所にいたのだから、おそらく彼は4時からの授業だったはずだ。







などと分析をしたところで、あの男が現れてくれるわけでもないのは言うまでもないことである。







探しても探しても見つからない。そう思って今日はとりあえず帰ろうと玄関に向かって背を向けたとき。








誰もいないはずの廊下を、誰かの足音が伝ってくる音が聞こえてきた。







少しの期待を込めて振り返った先には、あの時の浪人生がいた。
















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