ひきこもり女学生の脳内断面図
「あ・・・あの」
「散々周りに期待かけて、足りないものなんてないと思って生きてきたけど」
声をかけようとした私の声をかぶせるように、男は私の目を見ずに話し始めた。低くて透き通るような、静かな声。
「今こうして、それが思い違いだったって思い知らされた。大学落ちて、鼻の先をへし折られて。できないことはないなんて思っていた自分は、幼かったなって」
「・・・」
どんな意図を込めてか知らないが、私は彼の話を黙ったまま聞いた。その蒼白い顔をますます蒼くさせるような、切ない気持が伝わってくる気がする。
「だから・・・その、悪かったな」
「えっ!どうして謝るの」
自らが謝ろうとしていたのに先に謝罪された私は、思わず声に出してしまった。