ひきこもり女学生の脳内断面図









ちなみに乳製品が好きな私。特にプリンが好きな私は、横目で焼きプリンを通り過ぎる。








ちかちかと冷蔵ケースの照明がまぶしい。明らかに飢えている私の口内には、恐るべきスピードで唾液がたまる。こんなときでもマヌケである。









そんなことはとりあえず置いておいて。









私が今いる乳製品コーナーのすぐ横の突き当たりには、大きな扉があった。どうやら倉庫とつながっているようだ。











加藤先生ととジローの顔が、かわるがわる脳内を占拠する。










いったい私は、このやりどころのない気持ちを、どう処理すればいいのか。









大好きなプリンでも食べれば、気が晴れるか。明らかにそういう問題ではない。そもそも所持金21円の私がプリンを買えるはずもないのだから。








私は手に取った焼きプリンを、泣く泣く元の場所に戻す。一応手には取って見るのだが。










ごちゃごちゃと考える私をよそに、例の扉が唐突に開いた。恋は盲目、私は扉が開いたことにすら気付かない。




















< 38 / 303 >

この作品をシェア

pagetop