ひきこもり女学生の脳内断面図
バタンバタン、キイキイキイ・・・
豪快に開いたその扉の向こうからは、大きなワゴンと人影。どうやら店員が、品出しを始めたらしい。
焼きプリンを眺める私に、どこからか視線が注がれる。
なぜだか知らないが、その店員は私の横顔を見たまま、固まっている。
ちろちろちろちろ、明らかに視線が痛い。
「ん?」
さすがに様子が変わったことに気づいた私。
扉が開いた方向へ、自然と目がいく。
彼と目があったとたん、私はふっと首をかしげた。
この人、誰かに似てる。どこかで見たことがあるような顔だ。
「・・・似てる。加藤先生に」
ここでようやく、加藤先生の顔と彼の顔が重なった。
一寸の狂いもないほど、同じ顔。
その店員も私を見て、何かに驚いているようだったが。
私の驚きは、その店員以上のものだったことに違いない。
神様はどんな意図を込めて、彼と私を出会わせたのか。
その店員は、加藤先生を写したようにそっくりだったのだ。