ひきこもり女学生の脳内断面図
まさか加藤先生に、予備校の講師意外の顔があったのか。
スーパーの店員でもしながら、小遣い稼ぎをしているのか。
彼の加藤先生のそっくりようは、そう疑ってもいいくらいのレベルだ。
「本人かな?」しげしげと顔を覗いた私に、彼は笑いながら言った。
「プリン好きなんでしょ。食べたそうな顔して見てたから」
「あ、はい・・・」
言葉がない。まさか所持金が21円とは、口が裂けても言えまい。
彼の言葉掛けは十分嬉しかったが、私は引きつり笑いでその場をごまかした。