ひきこもり女学生の脳内断面図
あの日と同じように、店内を見回す。
私は一人、その場で泣く泣く肩を落とした。
思い返してみれば、バイトには勤務の曜日や時間帯だってある。
彼の姿は、どこを見渡しても見当たらないのは当然のことだった。
あの日は夜だったし、曜日も今日とは違う。
こんな平日の真昼間に、いるわけなどなかったのだ。
「そりゃそうか」と思った私は、仕方なくスーパーをあとにした。
今日はこれから、愛しの授業が待ち構えているのだ。
すぐさま加藤先生の笑顔を思い描いた私は、ニンマリと笑った。
大好きな人に今日も、会える。それほど嬉しいことは、ないのだ。
スーパーの店員の彼のことなど、秒速で忘れ去ってしまう私。
結局加藤先生が好きなことには、変わりないのだ。