ひきこもり女学生の脳内断面図







そうして今日も、受験生たちでにぎわう予備校に身をひそめる。






さすが受験シーズン。昼間っから見事なにぎわいようだ。






そんな浪人生たちの波に乗りながら、私はぼんやりと彼を待つ。







加藤先生を求め、うろうろと廊下を行ったり来たりする私。






当然そんな簡単に先生を見かけることができないのも、先生の忙しさを象徴している気がするのだ。







そんな忙しさにさえ、愛しさを感じるから恋というものはすごい。








「俺、全然勉強してないよ」と今にも言いだしそうな瓶底メガネの学生が、参考書に夢中になって歩いている。








お前はいつの時代の受験生だ。そう言いたくもなるが、彼に罪はない。






こうして見ると、予備校という場所もなかなか面白い。







そんな学生たちを横目に、私は珍しく予備校のトイレに行くことにした。







時間をつぶしたいときは、トイレである。大半の女子は実行したことがあるのではないか。









ちなみにここのトイレはひとつしかなく、男女共用なのだ。












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